なぜ、すべての子供にB型肝炎ワクチンが必要なのか

以前書いたことと内容はかぶりますが。。7/27に勉強会に参加しました。いままで定期接種化について尽力してきた乾あやの先生の講演です。自分が研修医の時、乾先生は防衛医大の先生でした。肝臓についての疾患をご相談したこともありました。「なぜ、すべての子供にB型肝炎ワクチンが必要なのか」というタイトルでした。

1.ユニバーサルワクチン WHOに加盟している193カ 国の中の183カ国、約95%の国と地域では出生児全員HBワクチンを接種しています。台湾はキャリア率が30%だったのが10%に下がりました。日本におけるキャリアの割合は2から4%と言われています。高い値ではないですが国際化が進み、また以下2から5の理由により定期接種化が必要であるといわれていました。10月から定期接種となります。

2.3歳以下にうつりますと、90% がキャリア化します。B型肝炎ウィルスにかかっても症状が出ず、知らないうちにかかっていることもあります。

3.癌を予防するワクチン。B型肝炎は肝硬変、癌に移行することがあるため

4.感染者の血液、唾液、汗、体液(精液)に触れて感染 唾液や汗は血液と同じくらい感染力があります。握手とか、ちょっと涙をさわったら感染するというのではなく、おそらく見えない小さな傷(アトピー性皮膚炎、水痘の治りかけ、やけどの跡など)から感染するのではないかと言われています。

5、祖父母や父親からの感染も報告されており保育園の集団発生の報告もあります。

6.ウィルスには8種類の遺伝子型があります。日本では遺伝子型Cが大部分を占め、欧米では遺伝子型Aが多く、遺伝子型Aの水平感染では約10%にキャリア化がみられます。遺伝型Aは本来日本にはほとんど無かった型ですが最近わが国でも遺伝子型Aによる急性肝炎が急増しています。

7.ワクチンであるビームゲンは遺伝子型C ヘプタバックスは遺伝子型Aから作られますが異なる遺伝子型でも予防効果はあるとされています。

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