アレルギー

花粉症の検査

「鼻水が止まらない。うちの子花粉症ではないですか?」と言われることが多くあります。侵襲が少ない(指先から採血をする)簡易的な検査キットがあります。イムノキャップといいます。開院時より導入しています。ダニやイヌネコ、秋の花粉の検査も同時にできます。
調べてみると2,3歳の児でも陽性になることがあります。(さすがに1歳の方が陽性になったのは見たことはないですが)また花粉症と思われていた子で反応が見られないこともあります。
スギ花粉の量が最近増加傾向にあること、 また空気の乾燥や外気温の変化、刺激物質(タバコなど)も要因と言われています。 アレルギー気になる方にはおすすめしています。

スキンケア

月末にスタッフでスキンケアの勉強会に参加しました。さいたま市民医療センターと埼玉医科大学の小児アレルギーエデュケーターの方からお話をうかがいました。小児アレルギーエデュケーターとは小児のアレルギー疾患に精通したコメディカルのことでありアレルギーの患者にスキンケアや薬の塗り方をはじめ指導する方のことです。一回の説明は1時間以上であり症状を良くするぞとそのプロ意識はさすがと思わせました。クリニックでも勉強会など行い皆さんに還元していきたいです。面白かったのは実際に泡を作るコツをみんなでやってみたことです。今は泡のシャンプーなどありますが普通のボディソープを泡立てるやり方です。その泡で手を使って優しく洗います。ビニール袋を使った泡立て方、ダイソーほいっぷるんを使った泡立て方があります。Youtubeの画像も参考に見てください。

ビニール袋をつかった泡立て方

https://www.youtube.com/watch?v=2uJbmZNHmro

ダイソー ほいっぷるん

https://www.youtube.com/watch?v=u0SIUXW1Hms

あせもを思わせる方も外来で多く見られるようになりました。脂漏性湿疹の赤ちゃんなどアトピーではない方も参考になると思います。ご覧になってください。

花粉の季節

現在外来ではインフルエンザが見られています。A型B型ともに見られています。通常Aは1,2月Bは3月くらいに多く見られるのですが今年は同時に流行しているため外来も混み合っています。そして花粉症の季節がやってきます。花粉症の症状が出る少し前から治療を始めると症状のピークを下げることができます。これを前療法といいます。特に鼻汁などひどくなると点鼻薬の効果が弱まることもあります。早めの治療を勧めています。また花粉の飛散シーズン中にはできるだけ花粉から逃げる工夫しましょう。朝の花粉情報を見る、マスクやメガネなど着用すること、ウールなどの材質ではなくツルツルしている材質の洋服を着る。玄関に入る前に、衣類に付着した花粉を払い落とし着ていた服は部屋の中には持ち込まない、玄関にかけておく、手洗いや洗顔、うがいを行い、花粉を洗い流す、洗濯物も部屋干しにする、布団干しなども気を付けてください。診断もプリックテストや20分くらいで簡単に診断できる指先から採血をおこなう検査もできます。気軽に相談してください。

卵はいつから

予防接種をしていると「卵はいつから始めたほうがいいか」「牛乳はいつから。。。」という離乳食の話がでます。その時はあまり急がなくていいかなと答えていました。自分の経験からです。1歳前後に湿疹で来院される方でアレルギーの検査を希望されることが多いですが施行すると卵白や牛乳のアレルギー反応が出ることが少なくない。反応が出た場合食物を食べないようにする、除去をすすめ、食べられる時期を待つことになります。昔の教科書でも卵や牛乳は2歳からと書いてあるものもあります。

勉強会で聞いた話なのですが最近は腸を通して感作するのではなく皮膚からという考えが一般的のようです。生後5、6ヶ月の時期にピーナッツを含む離乳食を開始している国のこどもは他の国のこどもに比べピーナッツアレルギーの割合がとても低いというデータがあります。(他の国のこどもは早期から与えていません。)

ベッドやリビングなど赤ちゃんがいるところに卵や牛乳のアレルゲンが潜んでおり湿疹があると、そこからアレルゲンが侵入してその後に食物アレルギーを発症する確率が高くなるといわれています。赤ちゃんの時の湿疹を早く治すことで、アレルギーを予防することが出来ます。

さらに食物を早期に食べることで抗体がついて食物アレルギーの進行を防ぐことが出来るのではという考えもあります。早期(数か月)から卵白を摂取することで湿疹がかなり良くなったというデータがあります。十分に火が通ってないものや過量に投与するのはアナフィラキシーという強いアレルギー症状がでる危惧がありますが、加工品や黄身などは8カ月以降など早期に気をつけながらあげてもいいかもしれませんね。

食物アレルギーはオーダーメイド人それぞれと思います。食べられない子もいるし除去した場合のほうがいい場合もあります。しかしこれから乾燥が強くなり保湿やスキンケアはしっかりと行うべきと思います。ステロイドを使いしっかりと炎症を抑えるのも重要と思います。

花粉症ピークに

ほぼ去年とおなじ内容ですが。最近花粉症の低年齢化が言われています。去年も書きましたが2,3歳の子で「鼻水が止まらない。うちの子花粉症ではないですか?」と言われることが多く、イムノキャップ(侵襲が少ない(指先から採血をする)簡易的な検査キット)も出現し調べてみると結構陽性になることがあります。(さすがに1歳前の方が陽性になったのは見たことはないですが)スギ花粉の量が最近増加傾向にあること、また空気の乾燥や外気温の変化、刺激物質(タバコなど)も要因と言われています。アレルギーがあるかないか知ることは重要であり検査をすすめております。

花粉症の治療は主に対処療法です(おとなになれば免疫療法ができますが。。。) 1.花粉が飛ぶ時間帯(正午前後・夕方)の外出に気をつける 2.その日の花粉量のチェック(テレビなどみて)3.外出時にマスク、メガネ、帽子など使用 4.鼻うがい、洗眼を行う5.帰宅時に衣服についた花粉を払う5.布団干しなど気をつける など花粉との接触を避けることが必要です。またお薬を飲んでいても日常生活が妨げられる場合(寝れないなど)はお薬を追加・変更する必要があります。

また「One airway, one disease」という考え方があります。鼻と気管支は離れた組織であるにも関わらず喘息患者は高率でアレルギー性鼻炎を合併します。中には鼻症状の悪化に伴って喘息が増悪する患者もいます。一方、アレルギー性鼻炎の患者が喘息を合併していることも少なくない。喘息とアレルギー性鼻炎は非常に似た仕組みで起きるのです。鼻炎の治療が喘息を良くしてくれるというものです。これも外来でもよく経験します。

花粉症流行の兆し

もう花粉症のシーズンになります。関東地方では前年の花粉の飛散数が少なく、2015年春の飛散数は前年の2~3倍になるといわれています。3月上旬から中旬にピークとなります。ピークの1~2週間ほど前から薬を飲むと、ピーク時の症状を軽減することができるといわれています。これを前療法といいます。希望されるかたはそろそろ受診されたほうがいいかもしれません。

花粉の対策としてはテレビなど花粉情報からその日の情報を手に入れること、マスクやメガネなどをつけ目や鼻、のどの粘膜に花粉を付着しないように予防すること。家から帰ったら手洗いや洗顔をすること。帰宅時に洋服など家の入口にかけることやピーク時は布団のそとぼしをやめるなど家に花粉を持ちこまない工夫なども有効です。花粉はほこりなどと同じなのでふわふわした綿などの洋服よりもツルツルした化繊ものの方が付着しないです。また空気洗浄機なども効果があるかもしれません

 

http://kafun.taiki.go.jp/

吸入補助器具(スペーサー)

乳幼児の喘息、RSウィルス後の長引く咳など吸入が有効なことがあります。吸入は大きく2種類あります。気管支拡張薬、加湿などで気管を広げて潤いをつけ、痰を出しやすくして楽にするもの(ネブライザー)と、吸入ステロイド剤をつかって慢性的な炎症を抑えてくれるものです。乳児などRSウィルスにかかった後など慢性的な変化(咳が長引くなど)になることがあります。(ハウスダストや犬猫花粉などのアレルギーや気管支肺炎など否定しなければならないのですが)このような場合や喘息のコントロールがつかない場合など、咳など長期間続き哺乳や食事、睡眠に影響が出る場合はステロイド吸入をして改善する場合もあります。ただし小さい子供の場合はパルミコート以外は吸入をすることが難しいです。(形状的に。パルミコートもネブライザーがない場合することができません)そこでこのたびOptiChamber Diamond補助器具(スペーサー)を購入しました。貸し出しができます(1か月の期間ではありますが)。この器具により乳幼児でもステロイド吸入が出来るようになります。お気軽に相談してください。

http://www.respironics.philips.co.jp/healthcare/product/product_detail.html?pid=53

無題

講演会「さまざまなアレルギーと対処法」

★★講演会「さまざまなアレルギーと対処法」開催のお知らせ★★

平成26年11月20日木曜日 東松山市内の野本コミュニティーセンターにて13時30分から15時30分に当院副院長、星理恵による「さまざまなアレルギーと対処法」(東松山市社会福祉協議会主催)の講演を行います。

副院長は埼玉医科大学付属病院のアレルギーセンターにて最新のアレルギーの勉強をしています。今回は様々なアレルギー(喘息・花粉症・アナフィラキシーなど)について、またその対処法についてみなさんにわかりやすくお話ししたいと思います。対処法の一つにエピペンというお薬があり、その模型をつかった講習も行う予定です。

成人病(糖尿病や高血圧)についてもお話ししたいと思います。

参加には整理券が必要になりますので、詳しくはチラシをご覧ください

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舌下免疫(減感作)療法

わたしたちの体は、花粉など体に害のないものに対しても過剰に反応してしまうことがあります。これが「アレルギー」です。アレルギーの原因となる物質は「アレルゲン」と呼ばれ、花粉やほこり(ハウスダスト)、食物など、身近にあるさまざまなものが、アレルゲンとなる可能性があります。

アレルゲン免疫療法は、減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。アレルギー症状を治す可能性のある治療法と考えられています。花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などに対してこの治療法が行われています。

いままで当院では皮下注射による免疫(減感作)療法を行っていました。このたび舌下に投与するシダトレンを処方することが出来るようになりました。

痛みも伴わず自宅で簡便に行うことができます。副作用の症状に注意すること、投薬が長期間(3~5年)かかり、すべての患者さんに効果が期待できるわけではない(スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法を受けた患者さんのおよそ3人に1人は完全に治り、80%の人に効果が認められる)とされていますが、花粉症の症状から開放され完治が期待されます。投薬を希望される方は連絡してください。

http://www.torii-alg.jp/

舌下免疫療法

先日Symposium on Allergy in Saitama にてお勉強してきたので、皆様に還元したいと思いご報告申し上げます。テーマは「アレルギー性鼻炎の最新治療 薬物療法から舌下免疫療法」でした。簡単に解りやすく伝えられれば嬉しいです。

まず、免疫療法はWHOが、唯一の根治療法と位置づけているすばらしい治療です。今から100年前、ヨーロッパで始まりました。日本でもアレルギーを専門にしているDrならできると思うのですが、アレルギー施設アンケートでも、実施可能率31%。これは、やればできるかな%なので、実際やっている施設は、とても少ないのが現状です。何故でしょう。副作用のアナフィラキシー対策がとれなくてはならない事や、保険点数の設置がなく、てまひまが、かかる割に赤字治療であるというのが本音かと思います。さらに効果の評価が難しく、研究レベルの炎症細胞以外で、身近に測れる数値がない。QOL(生活の質)で見るしかなく毎年飛散量が違うので患者さん自身の効果判定がやや難しいというデメリットもあります。しかし、実際8割位の患者さんにはとっても喜ばれており、当院にて開院当初から皮下免疫療法を続けておりますが、アレルギーに専門的に携わるものとしてとてもやりがいを感じております。

このたび認可された舌下療法ですがヨーロッパでは、30年前から皮下療法が開始され1986年には液体(舌下)療法が始まり、今やタブレットの投薬治療も行われております。舌下療法に関しては日本でも2005年から治験等が開始されております。

実際の治療方法は?365日毎日 自宅で舌下し、2分間保持していただき飲み込みます。受診は月に1回。少なくとも最低2年間。3年間位の治療継続は必要とされる見込みです。まだ保険点数や価格は決まっていません。

どんな方が、受けられるの?① 検査にて陽性反応②薬でのコントロール困難。③注射に適さない④長期寛解を望⑤12歳以上あとは、・長期間の治療を受ける意志がある。・免疫療法の特性を理解できる(終了後効果が減弱する可能性がある)・副作用についての理解可能な方でしょうか。当院にても、花粉非飛散期開始時期 6月を目処に開始できるようスタッフ一同頑張りたいと思います。