マイコプラズマ

よく聞かれる病気なので再掲します

マイコプラズマ感染は細菌とウィルスの間に位置するMycoplasma pneumoniaeが引き起こします。初期は発熱、乾いた咳など風邪の症状が見られます。時間の経過とともに咳はしつこい湿った咳となり長い間続くようになります。咳がひどいわりに聴診しても肺の雑音が入らないことがあります。5歳ごろから学童にピークがあり成人もかかります。RSと違い乳児期では重症化はしないとされています。診断は採血で行いますが結果が出るまで時間がかかるため投薬して様子を見ることがあります。マクロライド系、テトラサイクリン系などの抗生物質を用います。テトラサイクリン系抗生物質は歯の黄染を起こすことがあり乳児には長期投与はしません。自然治癒することもありますが学童では肺炎など起こすことがあるためマイコプラズマを疑った場合抗生剤を投与します。細菌の肺炎とはレントゲン像が異なるため昔は異型肺炎と呼ばれていました。肺炎があり呼吸状態が悪ければ入院する病気です。

伝染性紅斑

現在しばしばみられています 過去の記事を一部変更して再掲します

いわゆるりんご病です。ほほや手の外側にレース様紅班(正常な皮膚と紅斑が入り組んでいる・網目状)が特徴です。バルボウィルスB19が原因です。

風邪の症状が出た後に(小さい子は症状が出ないこともあります)紅斑が出るのですがその時期にはほとんど感染力がないので、隔離など二次感染予防の必要はありません。大人でかかると倦怠感・関節痛が強く出る場合があります。

先天性溶血性疾患を持つ場合に骨髄無形性発作(aplastic crisis)が起こることがあります。
胎児に感染すると胎児水種を起こすことがあります。胎児水種とは赤ちゃんが非常にむくみが強くなることで、重症例の場合胸やおなかに水がたまり心臓に負担がかかり命の危険もある病気です。 風邪の症状のあるウイルス排泄期には特徴的な症状を示さないので、妊婦などは、流行時期に感冒様症状の者に近づくことを避け、万一感染した場合には、胎児の状態を注意深く観察する必要があります。欧米では妊婦に感染は約0.25-1%に成立すると考えられており、その中で2-10%が胎児水腫となるとされています。

先日も何人か所見のある方が来院されました。流行すると厄介な疾患です。ワクチン開発が望まれます。