3月2015

胃腸炎(ロタウィルス)

現在胃腸炎がはやっている印象があります。その中でロタウィルスという白い色の酸っぱい1日10回以上1週間続くしつこい下痢を特徴とする胃腸炎を引き起こすウィルスが散見されています。ロタウィルスの治療薬はなく対処療法となります。注意しなければならないことが5つあります。

1.脱水の評価 ぐったりしている。元気がない。手足の先がつめたい、色が悪い。顔が白っぽい。など 水分が取れすこのような症状が出た場合は注意してください。(吐いてすぐに脱水になることはなく顔色が悪くても回復します。)

2.おなかを休ませる 吐いた後は1時間絶飲絶食にする。スプーンで少しづつ取るくらいおなかの負担を少なくするといいです。食事をとることより水分を取ることを大事にします。

3.2次感染予防 便や嘔吐物にはウィルスがたくさんいます 次亜塩素酸(漂白剤)をうすめて処理をすること、手洗い(2回)するなど対策が必要です。

4.極端なことをしない。下痢や嘔吐があるとナトリウムなど体から出ていってしまします。その状態でナトリウムの入ってないものを大量に飲ませると希釈性の低ナトリウム血症、つまり体の血の成分が薄くなってしまいます。また糖分も適度に取ることも大事です。とくに小さい子供は注意してください。

5.おむつかぶれ 便からお尻を守ることが大事です。こすらないように適時洗いましょう。軟膏を厚めに塗布します。ワセリンでもいいですが赤みがひどい時は亜鉛化軟膏など塗布します。

お世話になりました☆

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3月をもって一身上の都合により退職させていただくことになりました。

開院から4年半、本当にお世話になりました。

多くの方に支えられて楽しく働かせていただくことができました。

開院当時、赤ちゃんだった子も今では立派なお兄ちゃん、お姉ちゃんになっており、時の流れの早さを実感する一方、一緒に成長を見てくることができたことが幸せです。

昨年、病児保育室の立ち上げにも携わり、病児保育スペシャリストの資格も取得させていただき、多くの利用者さんと共にここまで歩ませていただきました。

ほしこどもおとなクリニックで多くの方と出会い、たくさんのことを学ばせていただいたことに深く感謝しております。

ここでの出会い、学んだことを活かし、これからも頑張っていきたいと思っています。

今まで本当にありがとうございました。

 

花粉症ピークに

ほぼ去年とおなじ内容ですが。最近花粉症の低年齢化が言われています。去年も書きましたが2,3歳の子で「鼻水が止まらない。うちの子花粉症ではないですか?」と言われることが多く、イムノキャップ(侵襲が少ない(指先から採血をする)簡易的な検査キット)も出現し調べてみると結構陽性になることがあります。(さすがに1歳前の方が陽性になったのは見たことはないですが)スギ花粉の量が最近増加傾向にあること、また空気の乾燥や外気温の変化、刺激物質(タバコなど)も要因と言われています。アレルギーがあるかないか知ることは重要であり検査をすすめております。

花粉症の治療は主に対処療法です(おとなになれば免疫療法ができますが。。。) 1.花粉が飛ぶ時間帯(正午前後・夕方)の外出に気をつける 2.その日の花粉量のチェック(テレビなどみて)3.外出時にマスク、メガネ、帽子など使用 4.鼻うがい、洗眼を行う5.帰宅時に衣服についた花粉を払う5.布団干しなど気をつける など花粉との接触を避けることが必要です。またお薬を飲んでいても日常生活が妨げられる場合(寝れないなど)はお薬を追加・変更する必要があります。

また「One airway, one disease」という考え方があります。鼻と気管支は離れた組織であるにも関わらず喘息患者は高率でアレルギー性鼻炎を合併します。中には鼻症状の悪化に伴って喘息が増悪する患者もいます。一方、アレルギー性鼻炎の患者が喘息を合併していることも少なくない。喘息とアレルギー性鼻炎は非常に似た仕組みで起きるのです。鼻炎の治療が喘息を良くしてくれるというものです。これも外来でもよく経験します。

いろいろなかぜ

いろいろなかぜが流行する3月。。。花粉症はピークに達しようとしています。インフルエンザB型がかなり少ない印象です。胃腸炎が多いですがロタウィルスのような長引く下痢は少ないようです。咳がひどくなるマイコプラズマが流行している小学校もあります。また熱や咳が長引く風邪も散見されています。このようなかぜはRSウィルスやヒトメタニューモウィルスかもしれません。昨年も書いたのですがヒトメタニューモウイルス感染症とは 気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をひきおこします。1~3歳の幼児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染します。 小児の呼吸器感染症の5~10%、大人の呼吸器感染症の2~4%は、ヒトメタニューモウイルスが原因だと考えられています。RSやヒトメタニューもウィルスもいわるゆる“かぜ”ですので積極的な検査はしません。高熱が続く、咳がひどく胸がゼイゼイしている子などは検査を行います。陽性が出れば今後の見通しがつき、強めの抗生剤は使わず経過をみることができます。
http://www.meiji-seika-pharma.co.jp/hmpv/