舌下免疫療法

先日Symposium on Allergy in Saitama にてお勉強してきたので、皆様に還元したいと思いご報告申し上げます。テーマは「アレルギー性鼻炎の最新治療 薬物療法から舌下免疫療法」でした。簡単に解りやすく伝えられれば嬉しいです。

まず、免疫療法はWHOが、唯一の根治療法と位置づけているすばらしい治療です。今から100年前、ヨーロッパで始まりました。日本でもアレルギーを専門にしているDrならできると思うのですが、アレルギー施設アンケートでも、実施可能率31%。これは、やればできるかな%なので、実際やっている施設は、とても少ないのが現状です。何故でしょう。副作用のアナフィラキシー対策がとれなくてはならない事や、保険点数の設置がなく、てまひまが、かかる割に赤字治療であるというのが本音かと思います。さらに効果の評価が難しく、研究レベルの炎症細胞以外で、身近に測れる数値がない。QOL(生活の質)で見るしかなく毎年飛散量が違うので患者さん自身の効果判定がやや難しいというデメリットもあります。しかし、実際8割位の患者さんにはとっても喜ばれており、当院にて開院当初から皮下免疫療法を続けておりますが、アレルギーに専門的に携わるものとしてとてもやりがいを感じております。

このたび認可された舌下療法ですがヨーロッパでは、30年前から皮下療法が開始され1986年には液体(舌下)療法が始まり、今やタブレットの投薬治療も行われております。舌下療法に関しては日本でも2005年から治験等が開始されております。

実際の治療方法は?365日毎日 自宅で舌下し、2分間保持していただき飲み込みます。受診は月に1回。少なくとも最低2年間。3年間位の治療継続は必要とされる見込みです。まだ保険点数や価格は決まっていません。

どんな方が、受けられるの?① 検査にて陽性反応②薬でのコントロール困難。③注射に適さない④長期寛解を望⑤12歳以上あとは、・長期間の治療を受ける意志がある。・免疫療法の特性を理解できる(終了後効果が減弱する可能性がある)・副作用についての理解可能な方でしょうか。当院にても、花粉非飛散期開始時期 6月を目処に開始できるようスタッフ一同頑張りたいと思います。